おばちゃんの終わらないトーク
スポーツクラブのロッカールームにて。
60代後半くらいのおばちゃんが、オチのない話を大声で延々と続けている。
「孫にせっかくハンバーグを作ってあげてもねー、石井さんちのハンバーグがいいってねー、言うのよねーオホホホホ」
この持ちネタを5分以内に5回は繰り返している。
毎分ってことか。
愛想笑いを浮かべる人の良さそうな40代女性と、いい加減ウンザリしている気の強そうな50代女性が、オチ無しエンドレストークの観客だ。
見た目の老いより怖いもの
恐ろしい。客観性を失う怖さよ。
なぜ、自分の話を相手がどう受け止めているかわからないのか?
相手がウンザリしているのがわからないのか?
年齢?
いや、違う。生き方の問題だ。
批判にさらされない、競争にもさらされない、ぬるい生き方をした結果だ。
ウチの母がそうだから。
ずーっと働いているけれど、働きに出てりゃいいってもんでもないみたい。
大事なのは、さらされる経験。自分を正しく評価してくれる環境。
怖い。
目尻のシワより、ほうれい線より、たるんだ身体より、細く薄くなる髪の毛より、
なにより最も怖いのは、衰えゆく自分の感性。
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