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夫のモラハラが理由で離婚した友人のはなし

20代前半に同じ職場で仲良くしていた友人のはなし。

夢を諦めた彼女の結婚

彼女が選んだ相手

同じ職場の友人Aちゃんは女優になる夢を持っていたけれど、20代半ばあたりで年齢的にリミットに差し掛かり、夢を諦め、付き合っていた彼と結婚した。

美人でホスピタリティが高く愛嬌のある彼女は当然モテたので、イケメンだけど売れない役者の彼と、見た目はオッサンだが稼ぎの良いお堅い彼と、二股をかけていた時期があった。そして稼ぎの良いほうの彼との結婚を決めた。

結婚に賛成できない大親友のスピーチ

稼ぎの良い旦那のおかげで、関係者でなければ使用許可の出ない、それはそれは厳かな場所での結婚式と披露宴。

新婦と同じ学部の、新婦大親友によるスピーチが強烈だった。

「Aちゃんは、もの凄い才能の持ち主です!私たち仲間内でもいちばん才能があって、本来なら普通の主婦に納まるような人じゃありません!」

「(新郎に向かって)○○さん、どうかAちゃんの才能を殺さないでください。彼女がまた夢に向かって動き出したら、全力で応援して支えてあげてください!」

わ~、なんかキッツイご学友だこと。と、自分のことは棚に上げた思った。
いや、いくら私でもこの場であれは言わないわ~。

でも、Aちゃんのご学友がそこまで言う理由もなんとなくは理解していた。

Aちゃんは確かに相当な実力を持っており、それは学友みんなが認めるところだったらしい。
と、これはたまたまAちゃんと同じ学校出身だった、別の同僚に聞いたはなし。

みんなに女優としての才能を認められたAちゃんが「フツーのつまんない主婦」になるなんて納得イカン!な思いが溢れてしまったのだろう。溢れすぎだけど。

でもAちゃんは、熱のこもった大親友のスピーチに苦笑いを浮かべ、フツーの主婦になる道を選んだ。

結婚したら旦那が変わってしまった

結婚式から半年後、Aちゃん夫婦が暮らす、とある地方都市に遊びに行った。
結婚前から旦那とも面識があったので、旦那は私を歓迎してくれた。
でもすぐに、旦那の変化に気付いた。

ことあるごとに「働いて自分の稼ぎで暮らしているさとちゃん(私)」「旦那に食わせてもらっている自分の妻」を比較する。
両者を比較し、私を持ち上げ、妻を落とす。

「コイツほんと家事もロクにできないし、モノ知らなくて世間知らずだから~」
私に向かって嬉々としてそんなことを言う。

「この人、女優になりたいなんて夢みたいなこと言っちゃって。いま考えるとあり得ない夢だったよね~」
友人をひたすら小馬鹿にする旦那。

旦那の携帯に旦那の同僚から電話がかかってきた。飲みに行かない?という誘いだったようだ。
「ああ、ごめん。今日はね、奥さんの友達が仙台から遊びに来てくれてるんだよ。そう、うちの女優かぶれの奥さんね。いや、違うよ。お友達はちゃんとした人だよ」

旦那、こんな人だったっけか?と、胸がモヤモヤしていた。

ついでにAちゃんも変わってしまった

翌日、夜景の名所に連れて行ってもらったとき。Aちゃんが私に言う。

「どうしよう?トイレ行きたくなっちゃった。でもこのへんトイレないよね?どうしよう?」

わたし
「え?トイレ?坂の下にレストランがあったから、そこで貸してくれるんじゃない?」

Aちゃん
「そっか。でもお店の人になんて言って貸してもらおう?さとちゃん、付いて来てもらえる?」

は?マジで?マジで言ってんの?ふざけて言ってるんじゃなくて?

一緒に働いていたとき、お昼は毎日Aちゃんと一緒だった。
昼時の混雑したお店でなかなかお冷が出てこないとき、フットワークの軽いAちゃんはササっとどこからか二人分の水を運んできて、厨房に声を掛けて勝手にオーダーを済ませて、お店のおばちゃんと仲良くなっていた。
そんな彼女が。
誰とでもすぐに仲良くできちゃう、コミュニケーションモンスターだった彼女が。
「トイレ貸してくださいって言えない、どうしよう?」と焦っている・・・

人はここまで変わってしまうのかと、唖然とした。

数年後、Aちゃんから別居の知らせを聞く

そこから5年くらいが経ち。ある日、Aちゃんから連絡がきて、子供を連れて実家に戻ったと告げられ、ランチをすることになった。5歳の娘も一緒に。

別居の理由↓

1.夫の風俗通い
2.Aちゃんの留守中に風俗の女性を連れ込んだ形跡あり(布団とティッシュがそのままだったらしい)
3.上記1、2について問い詰めてもしらばっくれる。「オマエはどこまで被害妄想なんだ」と逆にAちゃんを責める。
4.義理両親の孫の扱いに対する不信感

主だった理由はこんな感じだった。
当時の私は、別居の決め手になったのは1と2だと思っていた。でも違った。

「さとちゃん、知ってる?モラルハラスメントって」

パワハラでもなく、セクハラでもなく、「モラルハラスメント」というものが存在することを、このとき初めて知る。
当時、Aちゃんの話を聞いてもモラハラの定義がイマイチ理解できなかったが。

Aちゃんが受けたモラルハラスメント

モラハラ地獄から息を吹き返し、数年ぶりに自分を取り戻したAちゃんは、猛烈に憤慨し、そして嘆いていた。
風俗通いも、家に女を連れ込んだのも、どーでもいいことだと言った。
強がりではなく、本気でそう言っているようだった。

「さとちゃん、わかる?私はずっとモラルハラスメントを受けてきたんだよ。友人にそう言われて自分でもやっと気付いたんだよ。」

「【お前はロクにモノを知らない、ずっと家の中にいて世間を知らない、世間知らずだ。だから夢みたいなこと言って夢やぶれたんだよ。恥かしいヤツだなあ】ずっとそんなふうに言われ続けて、自分でもそうだって、私はダメな奴なんだって思い込んじゃったんだよ」

言われてみれば、、、と、数年前に遊びに行ったときの、恋人時代とはずいぶん変わってしまっていた二人の関係を思い出す。あれがモラハラの始まりだったのか。

Aちゃんがいちばん許せないのは夫のモラハラ。それに気付けず甘んじてきた自分。その次に許せないのが夫の両親だと言った。
夫の両親の「常識を逸した孫の扱い」とやらを聞かされたが、それは私から見たら大した話ではなく、もうこれはAちゃんが夫を憎むあまり、義理両親にも怒りの矛先が向かっているのだなと思った。

Aちゃん旦那がモラハラに走った理由

夫がモラハラな人になってしまった理由について、子供の頃からの資質では?と、Aちゃんは言っていた。
ちょっとね、倒錯的なところがあってね、、、と、彼の倒錯ぶりを語った。
なるほど、そうなのかもしれない。
女兄弟の中で育った元旦那。女の人に鬱屈した思いを抱いていたのだろうか。

結婚する前の彼氏時代。元旦那は二股を掛けられていた。二股の後、Aちゃんに別れを告げられた。
もう一人の男は、それはそれはイケメンさんでモテる男だった。
Aちゃんは夢を諦め、結婚を視野に入れ、甲斐性無しのモテ男と別れて稼ぎの良い元旦と元サヤに納まった。大変わかりやすく打算的。

あの披露宴でAちゃんの親友は言った。
「Aちゃんはフツーのつまんない主婦になるような女じゃない」と。
あれ聞いて、どう思ったのだろう。
Aちゃんを、スピーチしたAちゃんの親友を見返したいと思ったかもしれない。
ずっと俺をコケにしやがって。そんな鬱屈した思いが、彼をモラハラ大魔王にしてしまったのだろうか。

組み合わせの問題だ

元旦那に資質があったにせよ、組み合わせの問題もあったのでは?と思う。
彼のモラハラを引き出してしまう何かを、Aちゃんが持ち合わせていたのではないかと。

たとえば私がAちゃんと同じ大きな夢を持ち、同じく夢破れてあの男と結婚したとしても、モラハラは受けない。そもそも、ハラスメントは受け手の捉え方次第だ。

いまの私の彼は、モラハラの資質を十分に持ち合わせている人だと思う。
私のほうがうんと年下なこともあり、小馬鹿にした発言もよくしてくる。

そういえばこのブログを始めた12月頃、ブログを見せて当時の1,000に届くかどうかのPV数を教えたら、バカにした感じで言われた。

「ふ~ん、まあ、せめて数万レベルになるといいねえ~」

かなりドキドキしながらブログを見せて、バカにされちゃうかな?と思いつつPVを伝えたので、言われてショックだった。
ショックな自分と、もう一人、鼻でせせら笑っている自分がいた。

「自分でブログ書いたこともないくせに。もはや私のほうが知識あるのに。なんだその言いようは。ああ、腹立つ。めっちゃ腹立つ。おかげで俄然ヤル気出ちゃった!見返してやる!!」
モラハラの素養があるかも?と自覚のある男性よ。
やられちゃいそうな女性に近付いてはいけません。あなたのモラハラは絶対に治らないのだから。

引っ張ってくれる強い男の人が好き!という女性よ。
あなたは芯の強い人ですか?洗脳されないタイプですか?そうじゃないなら「オレ様いちばん系」の男は危険です。全力で逃げてください。

わたし?
彼のおかげでもうすぐ最初の目標のPV数に届きそうです。このブログ。
ありがとう。心から感謝。

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さとちゃん: 1973年早生まれ。2023年8月から老老認認介護をサポートするため実家暮らし。推しはSixTONESジェシー。使命はライトワーカーとしての任務を果たすこと。