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攻撃力の高さは後天性

NOと言えないおとなしい娘が許せない母

小学校に入学したときのはなし。

隣の席の男の子が、ふざけて私の筆箱や消しゴムにイタズラをした。

陰湿なイジメというよりは、たぶん仲良くするやり方がわからなかったんだと思う。

ちょっとチョッカイを出したという感じ。

気持ちは十分わかる。そのくらい6歳の私は可愛かった(早生まれ)。

ただ、これまでそんな酷い目に遭ったことが無かった私は、大いにショックを受けた。
キティちゃんの頬にナイフで切り込みを入れられた筆箱と、真っ二つにされたキティちゃんの消しゴムを母親に見せて、泣きながら訴えた。

「こんなことされた~!うわ~ん!」

ウチの母は怒った。

猛烈に怒った。

わたしを。

母による人格改造

母は容赦なかった。

「で?あんたは何て言ってやり返したの?」

「親に買ってもらった大事なものを、こんな粗末に扱われて、やり返さないとはどういうこと?」

「明日、学校に行ったらやり返しなさい。二度とこんなことされないように、脅かしてやりなさい。」

気弱だったわたしに「やり返す」なんて無理だ。

だが、母は追及の手を緩めない。

毎日、学校から帰ってくると聞いてきた。

「言った?今日こそ言ってやった?」

「なんで言わないの。《あんたのことウチのママに話したら、好きだからやるんだって言ってた!》そう言ってやればいいのよ。」

毎日毎日、学校から帰ってくると、やり返したかどうか聞かれるのがプレッシャーだった。

グズグズしている娘に痺れを切らした母が取った行動

当人に自分で言ったのかどうかは記憶に無い。

ひとつ憶えているのは、授業参観のときに母親がその男子に近付き、なにやら耳打ちしていた光景。
怒るのではなく満面の笑みで。
何を言ったのかは知らない。

その日から、彼のやり過ぎなイタズラはピタリと止まった。
6歳のわたしは学んだ。

【やり返したら、嫌なことは・・・止まる】

6歳にしてそのことに気付き、母の教えを胸に生きてきて、殺傷能力の高い人間が出来上がった。

そうなんです。わたしの攻撃力の高さは生まれつきじゃないんです。
後天性です。だいぶ早い段階で身に付けてしまいましたが。。。

わたしは、このときの母親を尊敬している。

メソメソ泣いているヒマがあったら、やり返せ。

親にいいつけて、なんとかしてもらおうなんて甘い。

自分で戦え。

ありがとう、ママ。

子供がいないので、同じことを教える相手がいないのが残念。

お母さん、とんでもないことしてくれたね、、、と思った方。
母にクレームを入れるのはやめてください。

さとちゃん: 1973年早生まれ。2023年8月から老老認認介護をサポートするため実家暮らし。推しはSixTONESジェシー。使命はライトワーカーとしての任務を果たすこと。
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