思えば、人生の要所要所でスピがやってくる。
500円玉ハゲと1円玉ハゲ
そのとき私は会社が嫌で、正確にいうと同じ部署にいる人たちが嫌いすぎて、病んでいた。
「自分さえ良ければいい」の見本市みたいな職場。
襟足の500円玉ハゲは自覚していたので、行きつけの美容院でその事実を面白おかしく伝える。深刻にならないように。
しばらくして、美容師さんが、ものすご〜く慎重に言った。
「頭頂部にも少しだけ、ホントに小さいけれど1円玉サイズのがあるかも。全然気にならないくらいなんだけど」
「!!!!!!」
座っていたイスから身体が浮いたのは、後にも先にもあのときだけ。
ハリーポッターの杖で魔法をかけられる
当時付き合っていた人が、ごりごりビジネスマンだけどスピに傾倒している人で、彼の知り合いのスピな人のところに連れて行かれた。当時の私は、傍目にも「こいつやばい」オーラが出ていて心配されたのだろう。
先に施術を受ける彼が、目を閉じてイスに座っている。
彼の後頭部にハリーポッターの杖みたいなのを向け、地を這うような低い声で施術者がなにか唱えている。
これはまずい。非常にまずい。
先にやってもらえばよかった。
こんなシュールな光景を見てしまったら、自分の番のときに100%吹き出すだろう。堪える自信がない。
自分の番になる。
ニヤけ顔を必死に抑えつつ、イスに座り目を瞑る。でもニヤけてる。
耐えろ、想像するな。
頭に杖が向けられている様子を想像しちゃダメだ。
すぐに頭頂部に暖かいものを感じる。
込み上げてくるものがある。
彼の前で泣きたくないので、自分の気を逸らそうと試みる。
「なんか泣きそうなんですけど、これって泣いてもいいものなんですか?」
施術者に質問しようと口を開いた瞬間、まったく間に合わず、ぶわっと涙が溢れ出た。
泣きたくないのに、どうしても止められない。
哀しいのではなく、暖かさと許容に包まれて心が揺さぶられる。
ちなみに彼は、このあと施術者にガッツリ叱られていました。不倫だったので。
会社のせいだけじゃない、おまえのせいだと。
決して安くはない私の施術代を払ってるのに、ゴリゴリに説教されるなんて気の毒に。
その3ヶ月後、会社に退職の意を告げる。
コロナワクチンを打つ前に止められる
ワクチン接種が始まったあの年。
ある人のFacebookを見て、ああ、わたしもワクチン打たないとなーとボンヤリ思う。
なんか書類が届いてたっけ。どこやったかな?探さないとな。
そう思っていた矢先、これまた別のスピな人から、久しぶりにメッセンジャーが届く。
「さとちゃん、もうワクチン打っちゃった?」
ワクチン打たないほうがいいですよ〜という内容で、ものすごい長文だった。
陰謀論めいた長文メッセージを3段飛ばしくらいで読み、直感的に判断。
なるほど。打たないほうがいいんだな。
だって、このタイミングでメッセージが来るんだから。
以降、コロナワクチンは一度も打っていない。
本物の人に出会う
そんな感じで、これまでも「スピに傾倒している人」や「スピ系施術者」とは、ちょいちょいご縁があったのだけれど、去年、いよいよ本物の人に出会った。真打ち登場。
初対面で彼女は言った。
「普段は9次元にいるんですけど、たまにこっちに降りてきていて、でも3次元は得意じゃないから、ちょいちょいポカやらかすけど許してね(エヘヘ)」
これはやばい。過去最高におかしな人だ。
「宇宙人に呼ばれて宇宙船に乗せられた系」の人だった。
本人にも言ったことないけれど、最初は彼女と会うのが嫌だった。
すべて見透かされている感じが嫌だった。
ただもう、凄まじい人格者で、腰が低いわりにいつも堂々としていて、そして目が笑っていないことも多い彼女に、自然と惹かれていった。惹かれるというか、ひれ伏すというか。
彼女のエピソードを話すと、みんな彼女に会いたがる。そりゃそうでしょうね。だって本物だもの。
ちょっとした人間関係のトラブルがあり、助けてほしいと友人に頼まれたけど、私では完全にお手上げ状態だったとき。
彼女が「問題を抱える当事者」と対峙するのを隣で見てた。圧巻。
その場にいた関係者みんな唖然とした。
どう考えても私たちとはレベルが違う。なんだこの人。
9次元ってそういうことか。
あと30年生きたって、彼女の域には到達できない。
私のブログを読んでいない彼女に言われた。
「あさちゃんは、発信するといいんじゃない?」
さとちゃんじゃなくて、あさちゃんと呼びたいそうです。
なぜか。「麻」という字が素敵で意味のある字だから。
言われなくても発信はしてたんだけど、改めて言われると、やはりそうかと思う。
茅ヶ崎ブログとか死ぬほどどうでもいい。
介護についても、思っていたほど書きたいことがなかった。
西暦2024年の令和6年にこそ、発信すべきことがある。
今後はそれを書いていこうと思う。
今日のわたしの記事にすんなり共感できるタイプの人は、わたしのことを今後はしれっと「あさちゃん」呼びしてほしい。年齢差があって抵抗あるなら「麻子さん」でもいい。
ああ、わかる人なんだなってわかるから。