20代後半~30代前半くらいで仕事に慣れてくると、急に謙虚さを失くし、上司批判を繰り広げる人たちがいる。
「マジでウチの課長、使えない」
「あんなんで年収1千万とか、ホントやる気なくすから勘弁してほしい。目の前から消えてほしい。」
そんな嘆きや愚痴をランチタイムに同期に向けて、えらい勢いでまくしたてていませんか?
わかる。気持ちはわかる。痛いほどわかる。
だがしかし。
その時間はあなたにとって有益な時間なのだろうか?
と、上から目線で問題提起をしつつ、私が過去に出会った超人レベルに仕事ができない上司と、たったひとつの対処法について。
使えない上司①想像を超えた「ウッカリさん」な課長
そのとき私は派遣スタッフとして、某大手通信会社のお客さまサポートデスクにオペレーターとして勤務していた。当時28歳。
「おたくの商品買ったけど、上手く通信できないんだよね~」というお客様に対し、問題の切り分けをすべく懇切丁寧にご説明および操作誘導。
「それ、ウチの商品のせいじゃなくて、あんたのパソコンの問題だから!」とか
「そもそもあんた、プロバイダー契約してないじゃん!!」という結果がほとんどという、まあまあストレスの溜まる仕事をしていた。
ある日、丁寧に低姿勢で問題の切り分けを進めていくうちに「これはホントに自社製品に問題ありだわ!」というお客様に当たった。
ただ、実際に商品を見てみないと、さらなる問題切り分けができない。
お客様は最初からご立腹状態なので、
「実際に見てみたいから、悪いけどショールームに持ってきてくんない?」
などというナメた案内はもちろんできない。
そんなこと言った日には大炎上間違いなし。
課長に状況を説明し、課長の了承を得た上で、これまた丁寧に丁寧に低姿勢でお客様のご都合をお聞きし、「担当者を行かせます」と案内。
私たち派遣のオペレーターは、契約上、業務外(電話での案内)の仕事は請け負えないので、社員に行ってもらうことになる。
社員は厄介な客の対応を嫌がり、「あんた、たまには仕事しなさいよ!」とばかりに、それを気弱な課長に押し付けた。
え?まじで?
課長じゃ問題切り分け以前に、機器を動作させられるかどうかだって怪しいよ?
おいおい、勘弁してくれよ~、これ以上、話をややこしくしないでくれよ~!
と思うものの、派遣の立場の私は従うしかなく、渋々、課長に行ってもらうことに。
さて、翌日。
9時の電話受付スタートと同時に、件のお客様から私へ入電。
「担当者来ないぞコラァ!」
へ?そんなはずは、、、
だって今日、課長はお客様のところへ直行すると言っていて、会社にも来ていない。
お詫びにお詫びして、一旦お客様の怒りを鎮火。
鎮火後、すぐに課長から電話が入る。
「あ?さとちゃんさん?いやあ、昨日〇〇(製品名)を持って会社出るの忘れちゃって。お客様のところの最寄り駅で気付いたんだけど、誰か持ってきてくれないかなあ~」
・・・・・。
ある。課長のキレイ過ぎる机の上に、製品の箱が鎮座ましましている。
ああ。なんということか。私の読みが甘かった。
課長が客先から「操作方法がわからない!さとちゃん教えて!」と電話をしてくるくらいは予想していたが。
まさか「持って行くの忘れた!」と電話がかかってくるとは。
自分の読みの甘さと、この課長に高い給料を支払う大会社のあり方に、大いに憂う28歳。
使えない上司②Googleのアカウント取得ができない課長
そのとき私は中途社員として、これまた別の大手通信会社に勤務していた。
入社したその日、私を採用してくれた部長に呼び出され指示を受ける。
「〇〇の場所について地図にプロットした資料を作って。時間かけずに簡易的なもので、Googleマップでもなんでもいいから。夕方の会議で使いたいんだ。」
「T課長が、いま仕事持ってなくてヒマだから。手伝わせていいから。」
ぺーぺーの私が、初対面のオジサン課長に指示を出していいのか?
まあ、きっとできないオジサンなのだろうと察し、オジサン課長にお願いをする。
「部長にT課長と一緒に作業するように言われまして」
T課長はとくに嫌な顔をするでもなく、のほほ~んと私の説明を聞いて、快く引き受けてくれた。優しい人なのだ。
そしてお昼前。
昼休みに出る前に、お互いの進捗度合いを確認しようとオジサンに声を掛ける。
「どのくらい進みましたでしょうか?」
「・・・それが、なかなかGoogleのアカウント取得ができなくて。うん、午後になったらまたやってみるから」
そう言って、逃げるようにお昼に出てしまったT課長をフリーズ状態で見送る私。
え?ええ?なんだって???いま、なんつった???
想定外。遥かに想定外。
これまた昼に出ようとしている部長をとっ捕まえて訴える。
部長大変です。
なんというか、想定外です。
午前中の2時間半かけてGoogleアカウントが取得できなかったと、T課長にサラっと言われてしまいました。
これは一体・・・どういうことなのでしょう?
哀しそうな目で私を見つめ、部長は言った。
「そうだよね。あなたがこれまで働いてきた(規模の小さい)会社では、あんな社員はいないもんね。ビックリするよね。」
「申し訳ないけど、ウチの会社ではあのレベルの課長はザラなんだ。あきらめて使いこなしてほしい。」
「だからオマエを採用したんじゃないか」と暗に言われた気がして、とりあえず納得する。
100歩譲ってGoogleのアカウント取得ができないのは良しとしよう。オジサンはパソコンが苦手だ。
でも、それならなぜ質問してくれないのか。
「プライドがあるからアカウントの取り方なんて聞けない」
「2時間半、仕事がひとっつも進んでいなくても、成果物が何も作れていなくても、ぜんぜんへーき、屁の河童!」であることも含めて、大企業のダメ課長なのか・・・ということを学ぶ。
さっさと逃げ出しましょう。退職しましょう。
上に書いたのはホンの一例。
T課長がいた会社は「ダメ課長見本市」「一億総課長」みたいな会社だったので、ネタはもっともっとあるはずなのだが、もはや憶えていない。
晩年は「ダメ課長一掃セール」とも呼べる人事があり、ダメ課長たちは順番に「姥捨て山」と呼ばれる部署へ移されていった。
だが、閑職に回されただけで給料が下がるわけでもなく、リストラにもあっていない。
ひとつ言えるのは、みんな良い人たちだということだ。
そしてみんな驚くほどの高学歴。有名大卒。
そうじゃない人は、たまたま新卒で入った会社が、合併に次ぐ合併で「わらしべ長者」のようにみるみる大きくなり、気付いたら大会社の課長職になっていたケース。
いずれにしても、牧歌的なサラリーマン生活を長年謳歌してきた人たち。
穏やかでみんないい人だが、驚異的に仕事ができない。
彼らの半分以下の給料で働く我々のストレスたるや。
あまりのストレスに、昼休みにダメ課長のダメっぷりを罵り、うっぷんをはらす。
私もずいぶん長いこと、そんなふうに昼休みを過ごしてきた。
もったいなかったなあ。時間は取り返せない。
こんなダメ上司、ダメ管理職がわんさかいる会社は、一刻も早く脱出したほうがいい。早く逃げて~!
脱出すべき理由①時間がもったいない
悪口を言っている時間がもったいない。
その時間をもっとあなたにとって有益なものに使えるはず。
それじゃなくても仕事できないダメ課長のせいで、仕事が増えて時間がないのだ。
他人の悪口に時間を割くヒマなど無い。
脱出すべき理由②性格が悪くなります
ディスりの技術はレベルアップするかもしれないが、そんなもんレベル上げてもしょうがない。
そして敵はたいてい温和な人たちなので、そんな彼らを陰でディスっている自分がイヤになる。
悪い人じゃないんだけど・・・でもね!あり得ない!の繰り返し。
次第に「でもあり得ない!」のほうが強まり「許容力の低い、他人に厳しすぎる性格悪い人」になっちゃいますよ。
わたしはいま、見事にこのタイプです。
許容力の低い、性格悪い人。まさにわたし。
脱出すべき理由③こんな場所で学べることなどありません
ロクに仕事をせずに、高い給料をもらい続けているダメ課長に問題があるのはもちろんですが、でもじゃあ、自分が逆の立場だったら、こんなオイシイ職場をそう簡単に離れられますか?
仕事で成果を出さなくてもクビになることなどない。
2回り以上も年下の小娘に、エラそうに指示出しされることはあれど、それさえ我慢すれば安定した高給が入って来る。
子供3人とも小学校から私立に入れちゃったし、戸建てのローンも残ってるし、親もそろそろ老人ホームに入れなきゃだし、飼っているゴールデンレトリバー2頭の食費もバカにならないし。
だから、しがみついてでも辞めない。
目立たず、浮かず、逆らわず。
定年まで勤めあげれば退職金だってしっかりもらえる。
そんな風土の会社でダメ課長にぐるりと囲まれた会議。
意見が出ないどころか、ダメ課長は居眠り課長に変身している。あのやろう。。。
不毛。何も生み出さない集団。
イライラばかりが募るこの職場で、あなたがスキルアップすることは、どう考えても不可能だ。
まとめ
これはホントに自省です。
我ながらアホ過ぎたなあという、大いなる反省。
言っても言っても言い足りなかった、ダメ課長の文句と悪口。
だって目の前にいるんだもん。
無駄に立派な高いスーツ着てるんだもん。
言わずにはいられない。
会社を離れたいま、ようやく気付く。
あれ?あそこまでヒドイ人たちって、あの会社にしかいなかったのかも・・・!
OH、NO!文句を言いつつ、延々とその会社に居続けた、己の愚かさよ・・・
どう考えても時間を無駄にした。
若いみなさんにおいては、どうか私と同じ轍を踏まないように。
「どこの会社に行ってもだいたい同じでしょ?」そんなことは無い。
まともな会社に行けばまともな人しかいない。これホントに。
転職するなら大会社は避けてベンチャーに行ったほうがいい。
ベンチャーであっても、どうしても選別しきれず、一定数のおかしな人は入って来るけれど、そういう人が「肩身の狭い居辛い思いをする土壌」(できないヤツに厳しい空気と真っ当な報酬制度)があるので、元ダメ課長は自ら辞めていく。
自然と淘汰される。
いま、大企業にいて「周りの管理職、ちょっとおかしくね?」と気付きだした若者よ。動くべきは、行動を起こすべきはあなただ。
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