寒い国に移住したい、1日も早く

黒田くんの話

今も昔もエバっている男が嫌い

小学一年生のときに、クラスにガキ大将がいた。
黒田くん。
いつも家来を従えて、ふんぞり返っている彼のことが気に入らなかった。
エラそうに。。。

昔も今も、中身の伴わない、エラそうな男が死ぬほど嫌いだ。

ある日、黒田くんと言い争いになった。

「なんで、あんただけ特別なのよ」

と、私が黒田(注:ここから記憶を呼び戻しているので呼び捨て)に文句をつけたのがきっかけだった気がする。
細かいことはさすがに憶えていない。

どちらかが手を出し、口喧嘩がやがてボカスカ叩き合いの喧嘩に発展した。

大喜びで煽る担任

「せんせ〜!黒田くんとさとちゃんが喧嘩してます〜!」

早くやめさせなくちゃ!と、職員室に先生を呼びに行く同級生。

大慌てで駆け付けた担任は、嬉しそうにニヤニヤして言った。

「やれやれ!とことんやれ!みんな邪魔するな。応援したいほうを応援しろ!」

そう。担任は変わり者の鈴木先生。(女性です)

うわーなんだか注目されて恥ずかしいな~と焦る私。

だが、黒田はもっと焦っていた。
形勢不利だったからだ。

小学一年生くらいだと、女の子のほうが身体が大きい。そして黒田はひとりっ子。
私には弟がいて、喧嘩など日常茶飯事。
場数が違う。
皆の大方の予想を裏切り、私の方が優勢だったのだ。

鈴木先生の冷酷なジャッジ

しかし、頭の出来は黒田のほうが遥かに上だった。

みんなの前で女に負けたら、ガキ大将の面目まるつぶれだと焦った彼は、小声で私に耳打ちした。

「疲れてきたし、手を使うのはやめて、足だけで戦おう」

???と思いつつも、ちょっと頭のトロい私が「うん、いいよ~」と承諾したところで、鈴木先生が勝負の終わりを告げる。

「はい、終了~!さとちゃんの勝ち~!」

そう言って、私の右手を掴んで高々と上げた。

なんだかわけがわからないまま、勝者宣言をされて恥ずかしがる私。

ポカーンとしている同級生。

何を言われたのか理解している賢い黒田は、顔を真っ赤にしている。

「黒田、お前、卑怯だな。このままだと負けると思って足だけにしようって言ったんだろ?そういう姑息な手を使おうとした時点でお前の負けなんだよ」

鈴木先生のこの言葉を聞いたのは、7歳のとき。

41歳になったいまも、鮮明に思い出せることに驚く。

たまに思う。
私のやり方は、生き方は、鈴木先生から見てどうだろう。先生ならなんて言うだろう。

先生が今どこで何をしているのか、生きているのかどうかさえわからないが、今も先生の目が気になる。

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