父がお世話になっている療法士さんたち
父が川越のリハビリ病院でお世話になっていたとき。
脳梗塞により、高次脳機能障害となった父のリハビリには、理学療法士さん、作業療法士さん、言語聴覚士さんがつき、
「発症後、半年間のリハビリ成果がその後の障害度合を決める」と言われる期間のリハビリにあたってくださった。
正直、父のリハビリにはあまり興味関心を持てずにいたが、
「家で介護するのは無理」という結論を早々に下した母親の意向を病院側に伝え、リハビリ終了後に入る施設探しに協力してもらうべく、家族と病院スタッフ間のミーティングに、私ははりきって参加した。
もはや家族以上の存在
リハビリスタッフのみなさんは、お若く、おそらく20代半ば~30歳そこそこ。
「高校野球の話をしたら、すごく乗ってくれるんで、野球の話から始めるようにしてるんですよ」
家族が知っていることはもちろん、家族が知らない父の好き嫌いも把握していた。
言語障害と情緒障害により、本来のフレンドリーな性格を失い、「やや扱いにくい初老の男」となった父を
宥め、励まし、ご機嫌を取りつつ、根気よくリハビリをしてくれているんだなーというのが、よくわかった。
父の行動がそもそもの性格によるものなのか、病気によるものなのかを知りたい彼らに、いろいろと質問されたが、ほとんど答えられなかった。
「家ではあまり口数の多いほうじゃなかったので・・・」なかなか苦しい返しだ。
気の良さそうなおばちゃん看護士さんは、母がいない隙を見計らい、遠慮気味にそっと私につぶやく。
「やっぱり、お父様、おうちに帰りたいみたいですよ・・・もちろん、ご家族の負担になるのは良くないんですけれど・・・」
すごいね。なんなんだ、あなた達は。
もはや、家族以上の存在じゃないか。家族ってなんだっけ?血のつながりってなんだったっけ?
半年間のリハビリを終え、自宅近くの老人保健施設に移る日。
父はお世話になったスタッフさん一人一人と握手を交わし、号泣していたそうだ。
そうだよ、パパ。
高次脳機能障害になっても分かるんだね。
仕事とはいえ、こんなにも親身になってくれる人たちには、きっともう出会えないよ。
あなたの生涯において。
職業に貴賤あり
さて、父の話が長くなりましたが。
家族&看護スタッフさんによる打ち合わせで、意気揚々と家族の意思を伝え、
ときに要領を得ない彼らの説明に、「説明というのはこうやってするのだよ!」とばかりに、エラそうに話の進行を取り仕切っていた私は、みなさんの仕事っぷりを目の当たりにし、思いきり凹まされた。
自分の仕事に比べ、彼らの仕事の尊いことよ。
私の仕事は、一体、誰の役に立っているのだろう。
彼らの説明を聞いて、リハビリに関心を持った私に、一度見学されませんか?と言われたがお断りした。
そんなものを見た日には、明日から会社に行けなくなる。。。
この体験は結構強烈だったかもしれない。
そうか。だから私は会社を辞めるのか。そうだった、そうだった。
誰かの役に立っていると実感できる仕事がしたい。
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