言い出したのは自分
研修の仕事をもっと増やそうかなー
そうすると出張が増えるから猫の面倒見てくれる人が必要だなー
あんまりっていうか、かなり気が進まないけど、実家に帰るしかないかなー
そんなことを考え出したのが、2023年6月。
私はフリーランスなので、仕事は自分で考えて選ぶ。
74歳の母と99歳の祖母(実の母娘)がふたりで暮らす、ほっとんど寄り付かない我が実家。
数日前にたまたま流れてきた動画。
「あなたが親を恨んでいるのは、あなたの誤解です、、、」的なスピなやつ。
親のことは好きではないけれど、恨んでいるというほどではないから、そこまで当てはまらない気も。
でもまったく寄りつく気になれないから同じことなのか?
情けなくて泣けた
そんなことを考えながら母にLINE。
「相談したいことがあるから週末に帰っていい?」
「了解です」
「・・・ちょっと体調崩してメンタルも弱っているので、不安だから先にどんな話か聞いておいてもいい?」
心身ともに弱っているとは初耳で、さすがにすぐに電話した。
母への事情聴取でわかったこと。
- 尿結石で通院していた(もう治った)
- 体調が悪かったあいだは、祖母と自分の食べ物を買いに行くこともできず、お隣さんに買い物を頼んでいた
- 祖母の介護が大変で介護鬱になりかけているかも
- 帰ってきてくれるならとても助かる
すべて初耳。
盆暮正月にも帰らない、父の墓参りにも行かない娘を頼る気にはなれなかったのだろう。
お隣の家のおばさんが助けてくれていたとは。
そしてそれを一切知らずにいた自分。
さすがに情けなく、大いに反省して泣いた。
弟もなにも言ってこなかった。頼るつもりがないのだな。
母がまあまあ壊れてた
詳しく話を聞くために、実家に帰る日を決める。
弟がやたらと親切で不気味。
「何時に着く?駅まで迎えに行こうか?」「帰りも大宮まで送るよ」
実家に帰ってわかったこと。
母のメンタル不調は、介護鬱とコロナきっかけの引きこもりとアル中のトリプルコンボ。
母が酩酊状態で、私たち姉弟に訴えてくることは。
「おばあちゃん(しつこいようだが母の実母)の世話をするのが本当に嫌だ」
「おばあちゃんの認知症の症状が悪化してきている」
「自分の母親のことが昔から嫌いだけど、いまはもっと嫌い」
ふんふん。
そもそも、なんでおばあちゃんのこと嫌いなんだっけ?
「子供の頃、おじさんが一緒に住んでいたの。おばあちゃんが付き合っていた人がね、一緒に住んでいたのよ、籍は入れてなかったけれど」
・・・なんかうっすら聞いたことあるような。
これは話の流れ的に、そのおじさんに虐待された的な重たい話になるのか?と、少し身構える。
「そのおじさんがね、すごく良い人だったの」
「実の父親なんかより、ものすごーく可愛がってくれたの、私もお兄ちゃんも」
「なのに、おじさんが家に十分にお金を入れないからって言って、おばあちゃんがおじさんを追い出したの!それが許せない」
良い人だったんかい
っていうか、それいつの話?昭和20年代のこと話してる?(さとちゃん心の声)
泣きながら話す母。
唖然とする私と弟。
さらには。
「○ちゃん(母の死んだ兄の奥さん)に、おばあちゃんを施設に入れたいから、入居費用をいくらか負担してもらえないか聞いてみたんだけど、無理だと断られた」
さすがにこれは聞き流せず。待って待って。
うちの祖母は、それはそれは死ぬほど性格が悪くて、嫁いびりを散々してきた人だ。
おばさんも従兄弟も祖母のことが大嫌いだろうし、嫌われて当たりまえ。
そのおばさんに?施設入居費用を出せないか連絡しただと?
私や弟をすっ飛ばして、なぜいきなりおばさんに???
え?ちょっと待って、どうゆうこと?
それはさすがにないでしょ。判断間違いすぎでしょ。
大丈夫???
私に指摘され、顔を歪ませる母。
だめだこれは。重症だ。トリプルコンボに初期認知症の疑いも追加された。
帰りの車中、弟にハッキリと伝える。
体調が悪くて、おばあちゃんの介護ができないなら帰ろうと思ったけれど、メンタルやられていて、認知症の疑いもある母親と暮らすのは無理だわ。こっちがメンタルやられる。
子供の頃から、私と違って愛想だけは200%の弟が言う。
そうだよねー
姉ちゃん、そうだよねー
でもさー、お願いできないかなあ?
俺もたまに顔出してるんだけど、アル中なのか介護鬱なのか認知症なのか、判断できなくてさー、困ってたんだよね。
おまえ、知ってたのか。
はめられた。完全にはめられた。
*後編につづく