寒い国に移住したい、1日も早く

阿部が招いた悲劇

お雛様

意識低い系社員

そのとき、わたしは27歳。
勤めていたのは、小さなコンサル(風味)の会社。
クライアントである大手通信会社の仙台支店に常駐し、仲間と一緒に研修業務を行いつつ、クライアント社員様と机を並べてお仕事・・・という職場環境でした。

常にクライアント様に見られながら仕事をするのは、まあまあストレスでしたが、まあまあ適当にやってまして。

入社時の新人研修で「クライアント常駐勤務の心得」みたいなものを叩き込まれ、ノースリーブのシャツはダメとか、ストラップのついていないサンダルもNGとか、クリクリのパーマヘアが派手過ぎるとか、身だしなみについて注意を受けたりしてましたが、

うっせーな!と膨れっ面して勤務しておりました。怖ろしく意識の低い27歳のわたし。

27歳のわたし。クルクルパーマにする前。性格キツそうな美人だなあ。
27歳のわたし。性格キツそうな美人。

メール誤送信が発覚

さて、そんなある日。

盛岡での出張仕事を終え、会議室の机を元に戻していたときに、男性上司がさり気なく言いました。

男性上司
ウチのメンバーの中に、間違えて阿部さん(クライアントの女性リーダー)に本人を中傷する内容のメールを送った人がいるみたいなんだよ

27歳さとちゃん
え?まじすか?だれっすか?(・∀・)

男性上司
それが、教えてもらえなくて。
あの勝気な阿部さんが相当ショックを受けていて、こんなことを陰でみなさんに言われている自分が悪いんだ、、、と、嫌味じゃなくて、結構本気で凹んでてね
27歳さとちゃん
(心の声)まじで?ざまあ!Ψ(`∀´)Ψケケケ)

27歳さとちゃん
それは大変ですね、、、
なんで間違えて送っちゃったんでしょうね?
男性上司
阿部間違いだよ

私たちのチームメンバーに「阿部さん」という女性がいました。

そしてクライアントリーダー様も「阿部さん」という女性でした。

メンバーをメールの宛先に入れるときに、abe@で始まるアドレスを選び間違えたのでしょう。

仙台は「阿部姓」がやたら多いのです。阿部蒲鉾とかね。

はしゃいでいる人が犯人

もちろん、犯人は私。

なのだけど、この時点では一切自分を疑っておらず、疑っていないどころか、はしゃいで興奮気味。犯人探しするのが楽しすぎて鼻血出そう。

普段は厳しい男性上司が、なぜかこのときばかりは気味悪いくらいに優しく。

男性上司
間違えてメール送ったのが誰だかわかったら、僕に連絡するように伝えてくれる?

わたしと同僚Mちゃんに言い残し、上司は私たちとは別の地方へ。

わたしと同僚Mちゃんは、翌日の仕事場である青森へと向かうべく、盛岡から電車に乗り込んだのでした。

冷静なMちゃん

27歳さとちゃん
いやあ、笑えるわー。だれだろね、間違えて送っちゃったの!

冷静な同僚Mちゃん
ウチら、普段からクライアントの悪口言いまくっているからね・・・

27歳さとちゃん
探そう探そう!青森に着く前に探し当てよう!
ああ、忙しい!わっぱめし弁当食べてる場合じゃないわ~
冷静すぎる同僚Mちゃん
あさちゃん(※わたしのこと)
あの勝気な阿部さんを凹ませるほどの毒舌メールを書けるのは、あさちゃんか私だけだよ。
まずはお互いに自分の送信履歴からチェックしよう
27歳さとちゃん
・・・なんだと!?

盛岡から青森に移動する電車の中で、必死に送信履歴をチェックする私たち。

冷静かつ意地悪な同僚Mちゃん
ああ・・・あさちゃん・・・!!

27歳さとちゃん
ぎゃあーーーーー!

やばいやばい

まさか自分の失態とは思ってもみなかったので、わっぱめし弁当も喉を通らないほどに凹む。

いや、凹んでる場合じゃないので、先程、別れたばかりの上司に即メール。

「スミマセン、犯人は私でした・・・」

上司からなかなか返信が来ない。怒っているのだろうか?
怒られて当たり前だが。

これがどのくらいの「やらかし」かというと、クライアントである「阿部様」がマジギレしたら、私たちの常駐勤務契約がすべて吹っ飛ぶ・・・というヤバさ。

私たちのチーム(研修講師チーム)だけじゃない。
上の営業フロアにいる「営業サポートチーム」の常駐契約も切られる可能性がある。スタッフ数、総勢30名以上。終わった・・・

深く深く落ち込む私を見かねた同僚Mちゃんが、上司にメールを送る。

「スミマセン、お忙しいとは思いますが、あさちゃんがわっぱめし弁当にも手をつけないほどに落ち込んでいるので、何か返信してあげてください」

青森駅に着いて、ようやく上司と電話で話せることに。

「出張が終わって常駐先の仙台に戻ったら、じっくり事情を聞かせて」

怒るでもなく、落ち着いた声の上司にそう言われ、少し安堵するも、ドキドキは収まらない。

仙台にて事情聴取

さて、仙台に戻り。
上司に会議室に呼び出され、事情聴取。

日頃は敵対している上司だけれど、今回の非は完全に私、、、というか、私以外に非が見当たらないので、ひたすら謝る。

上司は意外なことに叱責せず、クライアントの阿部様に謝罪したいと申し出た私を冷静に制した。

男性上司
阿部さんから「この件で犯人探しはしないでほしい」と言われている以上、謝罪することはできない

(補足:もちろんメールを送りつけられた阿部様は、犯人がだれであるかをご存知)

男性上司
波風立てず、騒がず、何もなかった顔して今までどおり仕事して

ということで無罪放免。

クライアントの阿部様が、そのあとこの話を蒸し返すことは一切なく、むしろ私たち業者に気を遣われるようになり(←私のせいだけど)事は丸く収まった。

さすがに反省していたので大人しく言われた通りにしたけれど、このときの私は「謝罪してはいけない」ということに納得していなかった。

謝罪して事が表面化した場合のリスクにまで、考えが及ばなかったのでしょう。

アホだなあ。若いなあ。若いの関係なく単なるアホなのか。

ウッカリ癖は治らない

さて。

いま気付いたけど、この記事のタイトルがおかしい(直しませんが)。

「阿部が招いた悲劇」←なんで人のせい?

「私のウッカリが招いた悲劇」←こう書くべき。

人のせいにしているくらいなので、私のウッカリはその後も続く。転職した次の会社でもやらかした。

ヒステリックで神経質な女性上司に対し、怒りMAXで絶賛残業中のときに、
「ババア、まじで腹立つわ!」というメッセージをバシっと本人に送りつけた。

ムカつくムカつく、こいつムカつく・・・と相手のことを強く思いながらメールを打っていたら、ついつい宛先を本人にしてしまったという。どーゆーこと?

女性上司、あまりのことに顔色が変わる。

「もうそろそろ、帰ってもいいのよ」←急に猫撫で声。

ショックだっただろうなあ。まじごめん。

誤爆という病

パカパカの折りたたみ携帯でショートメールを送っていた時代を経て、最近の仕事のやり取りは、主にSlackとチャットワークとLINE。

が、誤爆癖は治らないし、ツールの誤爆防止機能は向上しない。

なんで?
みんな誤爆しないの?
そうなの?
私が病気なの?

各種ツールのみなさまにおかれましては、「ホントに送ってよろしいか?」と5回は確認してほしい。
おそらく私のことだから「しつけーなー」と、OKボタン5回連打して結局は誤爆するのだろうけど。

私とメッセージでやり取りする機会のある方はご注意ください。
ある日突然、自分の悪口が書かれたメッセージが飛んでくるかもしれませんが、わざとではないです。まじごめん。

さとちゃん
悪気ゼロの天然