男女の友情はアリかナシか
そのとき、私は32歳くらいで、飛行機に乗って、とある地方都市に出張に来ており、その日の宿泊先は仲良しの友人男性がひとりで暮らす部屋だった。
男性のひとり暮らしの部屋に単身泊まり込む、ということを、20代の頃から平気でやっていた。
男女の友情はアリかナシか?
そんなの、どっちでもいーじゃん、という考えです。
友達のまま続く場合もあるだろうし、友達だと思っていたのに酔った勢いで関係を持ってしまったら、それはそれでまた一興。
ほとぼりが冷めた頃にネタにして笑えばいい。
繊細さの欠片もない、雑なO型です。
落ちた瞬間
その男性は、わたしより少し年上で、昔はお互いに「オマエのこと大っ嫌い」な天敵だったけれど、いつの間にか大の仲良しになった人。
頼れる人なので、兄のように慕っていた。
彼は、次の日の朝早くに家を出て、どこかの地方へ出張に行くらしく、遅くまで電話で仕事の打ち合わせをしていた。
彼が電話をしているあいだに、わたしは眠ってしまった。
「タダで泊まって、晩ごはんまでごちそうになったので、明日の朝はどんなに早くても絶対にお見送りをせねば!」
そう思っていたのに、気遣い人である彼は、そーっとそーっと支度をしたのだろう。私が彼の気配に目覚めることなく、起きたときには、もう彼はいなかった。
ああ、起きられなかったな。
見事に物音がしなかったな。
さすがだな。
寂しいな。
あれ?わたしは今日、商談しに行くクライアント先へ、どのルートで行けばいいんだっけ?
しまった、昨日のうちに聞くのを忘れてた。
とりあえず乗換案内で調べようと携帯を見ると、メールの受信通知が。
「あまりに安心しきった、無防備で健やかな寝顔だったので起こせませんでした」
そんなメッセージの下に、わたしが訪問するクライアント先までのルートが書かれていた。
「幼稚園児じゃねーんだよ」
そう言いたくなるくらい丁寧に。
長年の付き合いで、私の方向音痴ぶりを知っているがゆえの丁寧すぎる道案内。
ボーっとした頭でシャワーを浴びて、身支度を整え、ボンヤリしたまま部屋を出る。
途中、彼の友人に彼の部屋の鍵を預けるために落ち合い、せっかくだからと一緒にお昼を食べる。
その後、彼の友人と別れ、無事にクライアント先に行って商談を済ませ、ああやれやれ、ようやくすべて終わった・・・と空港へ。
検査場前で携帯を取り出そうと上着のポケットをまさぐると、彼の部屋の鍵が。
ああ、しまった。持ち帰って来てしまった。
なんのために、わざわざ彼の友人のところへ寄ったのか。
きっと、返したくなかったのだな。
忘れていただけかもしれないけれど。
完全に忘却の彼方だったけれど。
無意識に渡したくないと思ってしまったのだな。
これは、どうやら落ちたようだ。恋に落ちた瞬間。
相手との関係性は心の距離感
いろいろとややこしい背景があり、結局、この彼と付き合うことはなかったけれど。
もう、何年も会っていないけれど。連絡も取っていないけれど。
気持ちが通じ合う瞬間が、一緒に過ごした時間の中で何度もあった気がするから、たとえば今、彼が死んだら、私はしばらく廃人になるのだろうなと、想像する。
ある人がブログに書いていたはなし。
ぜひ自分の人間関係にあてはめながら読んでみてほしい。
コンパスで 同心円を描いてみる。
中心からだんだんと 遠くに何重にも 真ん中の点は自分。一つ目の円に入るのは 両親や兄弟 旦那さまや奥さん 子供はもちろんこの円の中に。
二つ目の円は 血縁の関係はないけれど 自分にとってかけがえのない“他人” …大切な友が入る。
このZONEに入る人数は少ないだろう。
長く生きたからと言ってその数が増えるわけでなし、ただ、最近疎遠だからと言って、消えることもない
大切な友はいくつになっても変わらない存在。別れた奥さん 僕の場合は彼女もこのZONE。三つ目の円は 親友とは呼べないまでも、一緒に居ると安心する他人のみなさん。
付き合った時期や長さはさまざまで、学生時代 それも同じサークルであるかないか 職場、こちらも同じ職場であるかないか
週末の趣味のサークル仲間やネットで知り合い OFF会で仲良くなった同好の志。
男女 年齢はもちろん「つながっている理由がさまざま」
いちばんバリエーションに富んでいるZONE。知り合った当時はそれほどのこともなかったが、環境が変わり、お互い大人になり、ふとしたことで身近になった
そんな友人がいたら、その方もこのZONE。四つ目の円には、なんというか 現実的に関係の深い友人が入る。
いやらしい言い方だが、ここには、ただ今現在の直属の上司や同じ課の同僚 学生時代のサークル仲間
現在の愛人…
さまざまに深く関わってきていて、相手のことを語ることのできる それくらいの距離にいる。
いま現在、頻繁に顔を会わせている。
このうち、現在の愛人などは、突然一つ目の円に入ってくる可能性があるが、ほかはない。おそらくないということは知っている。五つ目の円は さらに遠くなる。
けっこう飲みに行った前の職場の同僚の○○
中学時代あれほど毎日いっしょだったのに、今何をしているのかも知らないし、正直興味もない同じクラスだった○○。
毎朝、おはようございますと声をかける隣の家の奥さん。
「いらっしゃい!!今日は早いねェ~ ビールでいいかい」焼鳥屋のオヤジ。
息子の担任の先生なんかもこれくらいの距離か。
とても大切なクライアントだったのに 取引がなくなり会うこともなくなったあの会社の部長も…
これが今も続いているなら、四つ目に昇格するけれど、それもいつまで続くかわからない。
そうこのZONEは二つ目は難しいとしても 付き合い次第では 三つ目の円くらいに入ってくる可能性がある。六つ目ともなると もうどうでもよい(笑)が 見知ってはいる
…そういう顔ぶれ。
とりたてて例はあげない。こうしてみると、中心点からの円までの距離が表すものは、
共に過ごした時間の長さではなく、「心の距離」なのだと気がつく。
同心円を描いてみる
肌寒い季節になると、感傷的になりませんか?
私はなります。季節に思いっきり影響されるタイプです。
12月に入った途端、しんみりしながら、ユニコーンの「雪が降る街」を脳内エンドレスリピートしつつ、感傷にどっぷり浸かって毎日を過ごしております。
感傷に浸れる寒い季節が好き。
それにしても、今年は「出会い」と「別れ」の多い年でした。
え?もう2015年締め括り?
そう。2015年総括の先取り。
会社を辞めて「四つ目の円」の人間がごっそり減りましたが、なんの支障もきたしていないどころか、むしろ気分爽快なので、減って良かったようです。
大事なひとは、ちゃんと「四つ目の円」から「三つ目の円」に移動してきてくれました。
急増したのは「三つ目の円」
茅ヶ崎コミュニティを立ち上げたことで、ここが一気に増えました。パンッパン。ちょっと狭いよ、狭いよ~。
この中から「二つ目の円」に移動する人が出てくるのだろうか。楽しみだ。
父が死んで「一つ目の円」に欠員が出ました。
今後、欠員補充されることはあるのだろうか?
弟夫婦にもう一人子供ができたら増える。
姉ちゃん、たいがいにしろよ、という弟夫婦の声が聞こえてきます。
・・・すみません。
でも私に夫ができる確率と、あなた達夫婦に子供が増える確率を比べたら、、、どっちもどっちか。
「二つ目の円」に入る人は、多ければいいってもんじゃないけれど、その存在は私の心を温かくし、多少のことではへこたれない、強い心でいさせてくれる。
私には「二つ目の円」に入る人が4人います。
あなたには何人いますか?
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